「Lost」
今まで手が届く距離だったはずなのに
今では全く届かなくなっている
届かなくなってから気がつく、捕らえておかなければいけなかったものだと
全力で追いかけてみても、その距離はほとんど変わらない
もう遅いのは分かっている、分かっているけれどそれでも追いかける
追いかけているうちに霧がでてきた
だんだんと視界がぼやける
それでも追いかけることはやめない
ひたすらに追いかけ続けた
そう、ただひたすらに追いかけ続けた
そのうち、自分がどこにいるのか分からなくなっていた
それと同時に何のために追いかけているのかも分からなくなっていった
それでも追いかけることをやめない
それは何故か、止まることが怖くなっていたからだ
周りが見えにくい中で立ち止まることが怖かった
自分が存在している理由がなくなりそうで怖かった
だから追いかける、ひたすらに追いかける
たとえそれが自分を滅ぼすことになるとしても