心の赴くままに

雑記や小説など、パッと思いついた話をつらつらと書いています

「繰り返す」

毎日何かが生まれる

毎日何かが死ぬ

何が生まれようと何が死のうと何も変わらない

いや、何も変わらないように振る舞うと言った方が正しい

何も無かったかのように明日がくる

朝を迎える昼を迎える夜を迎える

そしてまた明日がくる

今までと変わらない、ただ毎日それの繰り返し

 

時が止まることはない

無情にも我々を次へ押し出す

「時を経ることで忘れることができる」「時が忘れさせてくれる」

人はよくこう言うけれど、当たらずしも遠からずだと僕は思う

それてしまった道を元に戻すが如く、今までの日常に戻るだけ

何も無かったかのように明日がくるのだ

 

例え僕が明日死んだとしても、明後日にはいつもの日常に戻り始めるだろう

半年後、一年後には今までと変わらない一日が続いていくだろう

いや、一つだけ違うところがある

それは僕がそこにいないこと

しかしそれは些細なことに過ぎないのかもしれない

僕が担っていた役割は必ず誰かが補完する

まるで僕が元からいなかったかのような日常が続く

流石にそれには一抹の寂しさを感じる

だがそれの繰り返しが世界であり今である

でもそれだとやっぱり寂しすぎるから

ラクタの中に咲く一輪の花のように、何も変わらない白黒の毎日に彩を加えよう

一人一色でもいい

そうすればこの世界は美しくなる

 

Inspired by 世界から猫が消えたなら